光の蒔絵

 ご覧になっている写真は、「割物」と呼ばれる花火が大きく開いた様子です。 この花火は、最初が緑色で、次に赤色、そして青紫に変化していきます。 実際に見た印象は、耀く色彩が次々に暗闇から湧き上がって広がっていく印象ですが、画像にすると全く異なった姿になります。 花火が消えてしまう少し前にピントをずらすと、線の先から光が散乱している形が出来上がります。 花火の中心では、緑と赤の光が重なり合って黄色やオレンジ色の色彩が加わり、にぎやかな光の輪を作り出しています。 柔らかなウルトラマリンブルーの色に包まれた赤い花は、黒漆に描かれた蒔絵のようです。 夜空に開いた三色の花火は、雅な光のアートになりました。